黒い紙の使用や地色を黒に印刷するデザインの紙箱は良く見られますが注意すべき点があります。
黒い紙(特殊紙)の使用
貼箱に黒い芯ボールや貼り紙、組立箱・キャラメル箱などに黒い板紙(特殊紙)を使用することがあります。
この様な用途の場合、通常は表面加工(ニス、PP貼りなど)を行わないので、わずかな傷、ローラー跡が気になる場合があります。
紙を機械に給紙する際のローラー跡や工程間移動・梱包、輸送時の擦れなどでも僅かな傷、跡がつきます。
黒い紙(特殊紙)の表面は非常にデリケートな場合が多く、これらを完全に防ぐことはできません。
貼箱の場合は特に工程が多く、手作業で製作する場合もあるので、ごくわずかな擦れも気になる場合は黒い紙を使わないほうが無難です。
通常はほとんど気にならない程度のこすれや跡なので事前にサンプルをご確認頂ていれば特に問題ありません。
下の画像は黒い芯ボールに付いたローラー跡です。
※画像は分かりやすいように角度、光りなど画像を調整してローラー跡を誇張しています。現物はあまり目立ちません。
黒い印刷の場合
黒い印刷でベタ面積が広いデザインの場合は表面加工をお勧めしています。
紙箱の種類や仕様によりますが、ニスでの色落ち、色移り防止、PPラミネートでの耐摩性強化などの表面加工を施します。
表面の強化、保護に適したPP、マットPP貼りもわずかな擦れ跡は生じる場合があります。
見る角度や光の加減で見え隠れするような微細な擦れ跡等は不良交換の対象外です。
素材、製品の性質と製造工程上、回避することはできませんので、予めご了承ください。
傷が目立ちやすい黒ベタ印刷でも一般に流通している紙箱と同じく十分綺麗に仕上がりますので過度な心配は無用ですが、神経質な販売先への納入や小傷が気になる方は濃色ベタを避けた方が無難です。
上の画像は黒い印刷でマットPPのスリーブです。(クリック、タップで拡大)
右画像の丸内に見る角度によって見え隠れする程度の跡があります。軽く爪や角が触れた程度でも跡が付くので完成時は綺麗でも梱包・出荷、梱包を解いて、商品セット・包装・出荷など各工程で多少の擦れは発生します。
※傷に強いPETフィルム、耐スクラッチマットPPを貼ることで軽減できます。
黒い特殊紙への箔押し
黒い紙への箔押しは時間が経過すると箔が錆びたように変色する可能性があります。
変色は紙に含まれるカーボンと箔に含まれるアルミや湿気などの影響によって発生します。
箔と紙の組合せ次第なので変色が発生するまでの時間や変色の有無を判断することは困難です。
そのため長期在庫が予想される場合は黒い紙を使わず、白い紙に黒を印刷して箔を押す、黒い紙にPP貼りをして箔を押すなど対策が必要です。
以上、黒い紙、印刷についての解説でした。
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