天地貼りブックケース 抜型ありと無しの違い

天地貼りブックケースは小ロットの場合、抜型を使わずに製作できるので、抜型を作る場合と作らない場合があります。

50部から300部位の数量ではコスト面でメリットがあるので抜型無しで製作する場合が多い傾向があります。

抜型を使わない場合は型代の分、コスト面でメリットがありますが、抜型を使った場合と比べ、仕上がりに差があります。

それほど気にならない、わずかな差ですが少しでも仕上がりを重視する場合や再版・リピートをご予定の場合は小ロットでも抜型の製作をおすすめします。

目次

端の断面 シャープさの違い

抜型無しで製作する場合、下図の赤丸部分を専用の機械でカットします。

他の断面と比べると、わずかにバリがありシャープさが劣りますが、仕上がり時に見える部分は赤線部分のみで大半がのりしろで隠れるため、ほとんど気になりません。

のりしろの向きの違い

抜型を使う場合と使わない場合でのりしろの貼り方に違いがあります。

抜型ありの時の貼り方

抜型を使った場合は下図のような貼り方になります。

下画像の左側が間口(本の差し込み口から見た図)で右側が展開図です。

天地貼りブックケースの抜型有りの図面

天地ともに正面側から裏面側に向かって貼ります。

中に入る方を紙厚の分、1mm小さくしているので収まりが良く、歪みが無い仕上がりです。
厚めの紙も使用でき、正面から天地に模様等がつながるデザインでも問題ありません。

抜型なしの時の貼り方

抜型なしの時は下図のような貼り方です。

抜型を使わない場合は紙厚分の寸法差を設定できないので正面側と裏面側の寸法が同じになります。


そのため、正面側の天地の内側にのりしろを収める形にはできず、天は正面側から裏面に向かって貼り、地は裏面から正面に向かって貼ります。


厳密には紙厚の分だけ無理が生じて、少し歪んで仕上がりますが、0.4mm厚前後の紙厚でしたら、ほとんど気になりません。

デザインによっては正面から地への絵柄の繋がりが表現できないこと、紙の断面が正面側から見えることがデメリットです。

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