印刷方法で差が生じる経年劣化

劣化した紙

※画像は生成AIによるイメージです。

印刷物は時間の経過や温度湿度、太陽や照明からの紫外線、ファイルや一緒に保管しているものとの接触や摩擦などの影響を受け、色褪せや紙の黄変、インクの剥がれなど劣化が進行します。

印刷方法や様々な条件で劣化の具合は変わってくるので、ブックケースやレコードジャケットなど長期保管が想定される製品の印刷には注意が必要です。

目次

印刷の方式

印刷には大まかにデジタル印刷とオフセット印刷があります。

以前は箱の印刷はオフセット印刷が大半でしたが、近年はデジタル印刷の品質向上、厚紙への対応、用紙サイズの拡大で極端な小ロットでも対応が可能になりました。

しかし、安いからとデジタル印刷で製作すると後々、問題が生じる場合があります。

小ロットにおすすめの「デジタル印刷」

デジタル印刷は粉末状のトナーを使う「電子写真方式」と液体のインクを使う「インクジェット方式」が主流です。

小ロット・多品種の印刷には適していますが、トナーは割れや剥がれが生じやすく、インクジェット(特に染料系インク)は色褪せが早い傾向があります。

また、古い機種と最新機種ではクオリティが大きく異なるため、同じデータでも印刷所によって仕上がりが変わる場合があります。

デジタル印刷の普及は1995年頃でまだまだ歴史が浅く、毎年新しい機種が登場、インクの改善などが行われています。

様々な要因と保存環境が関係するため、「デジタル印刷の耐用年数、寿命」は残念ながら、はっきりは分かりません。

私の手元にある印刷物も数か月で色褪せが生じた物、1年ほどでファイルにはりついてインクが剥がれた物、ある程度年数が経っているが劣化が気にならない物など様々です。

商品梱包のような開封後に捨てる箱を小ロット製作するには最適ですが、長期保管を想定する場合は安易なデジタル印刷の選択は短期間で劣化する危険が伴います。

長期保管も安心な定番「オフセット印刷」

昔から商業印刷に用いられているインクを版から紙に転写する印刷方法です。

100年以上の歴史があり品質、生産性が優れているため現在も主流の印刷方法です。

古い本やレコードなどは大半がオフセット印刷、もしくは同様に版を使うグラビア印刷や活版印刷です。

数十年が経過していても室内で日が当たらない場所で適切に保管していれば、多くの場合、ひどい劣化は現れません。

長期保管を想定する印刷物にはオフセット印刷が安心です。

デジタル?オフセット? 印刷の選び方

弊社においては、印刷方法の指定無しでお任せ頂く場合が一番お安く仕上がります。

少量ならデジタル印刷を、本来はデジタルの枚数でも弊社レギュラー商品(オフセット)と付け合せ印刷(数種類の物を並べて一緒に印刷)した方が安くなるならオフセット、などベストな方法で製作します。

ブックケース、レコードジャケットなど耐久性を考慮したい場合は少量でのオフセット印刷も承ります。

展開寸法の大きい物は少々高くなってしまいますが、小さめのブックケース等は少量のオフセット印刷でも、意外と安く製作できる場合もあります。

お見積り時にご希望をお聞かせ頂ければ条件に合わせて最善の印刷方法をご提示いたします。

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