商品の紙箱パッケージを作るときどんな形式の紙箱を作るか悩みますが配色についても悩むところだと思います。
大学在学中に、色彩検定を受験し資格を取得した際に得た色彩の知識を活かし色彩心理学を利用した『紙箱における配色のテクニック』を
- 色とは
- 色のイメージ
- 配色のテクニック
に分けてご紹介していきたいと思います。
紙箱パッケージを作る際に参考にして頂ければ幸いです。
まず、なぜ色彩が紙箱(パッケージ)において重要かというとSatyendra Singh氏が発表した研究論文。
Impact of color on marketing
(マーケティングにおける色彩の持つインパクト)
この研究論文の中で、商品によっては消費者の行った即決の90%は色彩のみをベースに行われていることが明らかになりました。
確かに、私も商品を購入する際パッケージの色彩に魅力を感じる商品を購入します。
色の組み合わせによっては、美しく見えたり、清潔感や高級感を持たせたりと商品のイメージを左右するものです。
より多くの消費者に商品を選んでもらうため色の組み合わせを学ぶことはとても重要だと感じます。
色とは
『色とは』と題して色についてのお話です。
紙箱デザインの参考、ヒントになれば幸いです。
まず、色には無彩色と有彩色があります。
無彩色とは、白,黒,灰色のように色みが全くない色を指します。
有彩色とは、赤や青のように色みを持つ色の事です。
また、色は三つの要素から成り立っています。
明度、彩度、色相 の3つです。
これらを色の三属性(色の三要素)と言います。
次に 色の三属性についてひとつずつ説明します。
明度:色の明るさ
明度とは色の明るさの度合いを指します。
一番明度が高い色は白、一番 明度が低い色は黒、両者の中間は灰色です。
高明度,中明度,低明度 と三つの段階に分けることができます
彩度:色みの強さ
彩度とは色みの強さを表します。
もっとも色みの強い色を 純色(ピュアカラー)と言います。
彩度が高いと鮮やかな色になり、彩度が低いとくすんだ色になります。
高彩度,中彩度,低彩度と三つの段階に分けることができます。
色相:色みのちがい
色相とは、赤,青,緑といった色みの違いを指します。
「色あい」と呼ぶこともあります。
簡潔にまとめると
無彩色:色みを持たない色
有彩色:色みを持つ色
明度:色の明るさの度合い
彩度:色みの強弱
色相:色みの違い
とても簡単に『色』について
説明しましたがお分かり頂けたでしょうか?
紙箱における色のイメージ
続いて『紙箱における色のイメージ』と題して色から連想するイメージについてのお話です。
箱の色によって紙箱パッケージを手にするお客様に様々な感じ方やイメージを与えることができます。
色のイメージ 暖色
赤、オレンジ、黄など暖かく感じる色を暖色と言います。
色彩心理としては、
- 赤(生きる力、情熱的、社交的、行動的)
- オレンジ(向上心、親しみ、陽気、好奇心旺盛)
- 黄(知性、向上心、独創性)
を表します。
色のイメージ 寒色
青緑、青など寒く感じる色を寒色と言います。
色彩心理としては、
- 青緑(気品、自信、創造力)
- 青(理性的、知性的、沈着冷静)
を表します。
色のイメージ 中性色
緑や紫のように温度感がハッキリしない色を 中性色と言います。
色彩心理としては、
- 緑(平和、バランス、自然、安心感、協調性)
- 紫(個性的、美意識、芸術性、高貴、高尚)
を表します。
白と黒は
- 白(美・清潔・潔さ、純粋、高品質)
- 黒(重厚、高貴、厳粛、主張)
を表します。
また、色によって重量感の印象を変えることもできます。
重い色の代表である黒は、軽い色の代表である 白に比べて、1.87倍重い印象を与えると言われています。
引越しに使う箱( ダンボール)に白やベージュなどが多いのは荷物をより軽く感じさせ、作業効率をあげるためと言われているのは有名な話です。
箱における配色のテクニック
続いて『箱における配色のテクニック』と題して紙箱の配色のテクニックついてのお話です。
まず、最初に考えなければならないのが箱の中にある商品の用途、コンセプト、商品を購入するのは誰なのかということです。
商品を購入する人の割合が男性・女性で大きく差がある場合、いずれかに合わせ検討することも重要です。
ターゲットを男性に絞った商品の場合
男性は黒 赤 青などの大胆な色や黒が加えられたような影のある色を箱を好む傾向があると言われているのでそれをふまえた箱の配色を検討する。
女性向けの商品の場合
ピンク 白 など柔らかで優しい印象を与えまた、白が加えられたような色調を好む傾向があると言われているので、そのような配色を検討する。
子供向け商品の場合
子供が好む色は原色ですが、親が子供に与えたいと選ぶのは淡い色合いを好む傾向があると言う調査結果が出ているので、そのような配色を検討する。
また、ターゲットを男女年齢を問わない場合は、イメージや説得力で商品を選んでもらわなければなりません。
男女年齢を問わない例としては、薬の箱があります。
薬の箱は沈静色(寒色系の低彩度の色。色相では青・青緑など)を使用しているものが多くあります。
これは、沈静色には気持ちを落ち着かせる効果があることから薬の箱の配色として採用される事が多くあります。
つまり、紙箱の配色において考える際最も重要なのは、商品やそのブランドの 説得力、感覚、ムード、イメージを配色で表すという事です。
それでは、ターゲットを女性とした商品の箱を例として実際に箱の色を変えながら説明してきましょう。
ターゲットを女性とした商品の箱
1.グラデーション
グラデーションとは徐々に変化するという意味で、段階的にリズミカルに色を変化させて配列した配色。
2.セパレーション
配色の間に適切な色を差し込んで調和をはかる技法。
3.アクセント
単調な配色の中にアクセントカラー(強調色)を入れる技法。
4.レピテーション
レピテーションとは繰り返し・反復という意味で、2色以上を使った統一感のない配色に、一定の秩序に基づく調和を与えるための技法。
配色の技法の違いによって紙箱にも様々なイメージ変化が見られます。
紙箱の配色カラーが、商品のコンセプトとやイメージと一致し、商品の説得の役割を果たすことが出来ると考えます。
紙箱の配色についてとても簡単に説明していきましたが、ご理解頂けましたでしょうか?
商品の紙箱パッケージの配色を検討する際少しで参考になりお役に立てれば嬉しく思います。
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