貼り箱は芯ボールの厚紙と表面に貼る紙(薄紙)を貼り合わせて箱の形にする構造上、通常の印刷紙器とはデザインを制作する方法や注意点が異なります。
新規のパッケージを検討する場合は以下のような手順になります。
1,商品に合わせて箱サイズを検討~箱の寸法、形状の決定
箱に入れる商品の大きさ、1箱の入り数、箱の中での並べ方を検討してサイズと箱の形状を決定します。
箱に1つの商品を入れる場合は商品の外寸+1mmから2mm位のサイズを箱の内寸に設定しますが、詰合せ、ギフトセットなど複数の商品が入る場合はご希望の入れ方、並べ方を伺い仕切りや内装を設計して箱サイズを算出します。
箱の形状と寸法は御見積りに大きく影響するので、この段階でご予算に合わせた設計、数量を検討します。
2,白ダミーを製作して寸法と形状を確認する
箱の形状や寸法など概要が決まったら白ダミーを製作します。実際に商品をセットして収まり具合をご確認頂きます。
3,図面データを製作、デザインデータの制作、入稿
白ダミーの確認後はデザイン制作用の図面データをご用意いたします。お渡しする図面は下の画像のように貼り紙の展開図にフタ天面(もしくは箱底面)と側面4辺のレイアウト枠を表示したものです。
貼箱の図面テンプレートについて
この図面データの枠内にデザインをはめ込んで入稿して頂きます。
この時にご注意頂きたい点はデザインデータ上で配置した絵柄の位置と箱が仕上がったときの絵柄の位置がわずかにズレることがあるということです。
これは断裁、抜き加工、貼り加工ともズレが生じるためで、別々に加工された貼り紙と芯ボールを組み合わせて仕上げる貼り箱の構造上、避けることが出来ません。
特に貼り紙を抜型で抜かないで断裁加工で製造する場合や機械貼りではなく、手作業で貼る小ロットの場合はレイアウト枠ぎりぎりへの配置は避けた方が無難です。
飾り枠や側面を繋げるデザインなどズレにシビアなデザインの場合は貼り紙、芯ボールとも抜型で抜き加工、貼りも全自動貼箱機で製造することでズレの非常に少ない仕上がりになります。
この場合もズレ幅ゼロは不可能なのでご了承ください。
色校正、試作、印刷、箱の製造~納品
デザインデータを入稿して頂いた後は多くの場合、色校正を行います。
色校正は色、レイアウトなどのデザインが意図した通りに印刷されるかを確認する作業です。色校正の紙を使って箱を試作して最終の状態をご確認頂き、本生産に入ります。
黒1色(色の問題が無い)でフタ天面にロゴ、文字程度の場合など色校正を行わずに進行する場合もあります。
何も決まっていない状態から箱の製造までは以上のような手順で進行します。
箱のサイズや数量、おおよその仕様が決まっている場合やご希望の仕様が明確な場合、特殊紙を使って箔押しロゴのみの場合などはもう少し簡素な段取りで製造に入ることができます。
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