貼箱の構造と作り方をご紹介します。
芯ボール(裏白チップボール)のカットと組立、貼り紙(クルミ)のカット
芯ボールと貼り紙は下図のように1枚の大きな紙から小さく切り分けて折り目に罫線を入れたり角をカットして仕上げます。
実際の製造現場では小さく切り分ける工程を断裁機、芯ボールの角切り、折り目の罫線入れ、貼り紙の角カットをそれぞれ専用の機械で加工しています。
今回はプリントアウトした図面と小さく切り分けた芯ボール、貼り紙を使って貼箱の構造と作り方をご紹介します。
まずは芯ボールのカットです。図面に合わせて角を切り落とします。
角をカットした後は折り目に罫線を入れます。
罫線は半切れ、ハーフカットと呼ばれる加工で芯ボールの厚さの半分くらいまで切って半分は切れていない繋がった状態にします。
こうすることで厚いボール紙にしわ、割れなどを生じさせることなく綺麗に折ることができます。罫線を入れた芯ボールは箱の側面になる4面を立ち上げて角をテープで固定、箱型にします。
以上のカット、罫線、角のテープ貼りを以って芯ボールの加工は終了です。
貼り紙(クルミ)のカット、貼り紙への接着剤塗布
続いて貼り紙(クルミ)のカット加工です。
製造の際は貼り紙の角の形の刃を持った専用機や抜型を使用して加工します。下の画像がカット加工を施した後の状態です。
貼り紙をカットした後は芯ボールで作った箱と接着するために貼り紙の裏(接着面)全体に接着剤を塗布します。実際の製造時はニカワという専用接着剤をローラーで薄く均一に塗布します。
芯ボールと貼り紙の接着加工
接着剤を塗布した貼り紙と芯ボールを接着します。
まず、貼り紙の中央に箱を置きます。このときの載せズレは仕上がりのズレに直結するのでしっかり真ん中に箱を載せることが重要です。
機械貼りのときはセンサーを備えた機械で位置合わせが可能なのでズレ、個体差の少ない仕上がりになります。
箱を中央に載せた後は長手側面を貼り合わせます。対面したもう一方も同様に貼ります。
次に長手方向の両サイドについてる4つのフラップ(のりしろ)を短辺側の側面と貼り合わせます。
次に短辺側の側面を貼ります、反対側も同様に貼り合わせます。
最後の工程は芯ボールの上にはみ出している部分の貼り紙を箱の内側へ折り込みます。最初は長手側の2辺を折り込みます。
次に短辺側を内側へ折り込んで完成です。
機械貼り、手貼りによる差はありますが貼箱は芯ボールと貼り紙、2つの部材を組み合わせて複雑な工程を踏んで製作されています。
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