【デザインデータ制作】 網点について

塗り足しとハサミ
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濃淡を調整する網点

デザインデータを制作する際に同じ色で濃淡を付けるケースが良くあります。

例えばある絵柄の色をK(黒)100%の真っ黒にして異なる絵柄はK(黒)50%を位に薄くしたグレーにしたいといったケースです。

オフセット印刷は色や濃淡を小さな点で表現しています。そのためK(黒)50%の部分はグレーのインキで印刷されるわけではなく、黒のインキで印刷されています。

下の画像はK100%と50%の印刷したときの拡大イメージとK50%の画面表示と印刷物の拡大イメージです。

網点のイメージ

黒い点々の密度を減らすことで下地の紙色と相まってグレーを表現しています。このような特徴があるため製作時に注意が必要なケースがあります。

紙箱の地色の掛け合わせ

パッケージ印刷では白地よりも美粧性が増すので紙箱全体に色を付けることが多々あります。

そのような時に色の掛け合わせで色を指定、印刷すると色校正、製品、再版と色が一致しずらくなります。

オフセット印刷の特性上、同じデータで同じ紙、同じインキを使って印刷しても毎回わずかに色ブレが生じます。

特色インキで印刷する場合は色の濃淡の差が出る程度で比べないと分からないような僅かなブレに収まりますが掛け合わせの色は濃淡が色差になって表れる場合があり、色の違いが大きくなってしまう場合があります。

掛けアミと特色

そのため紙箱の地色には特色を指定されることをお勧めしています。

前述の「同じ紙、同じインキで結果に差が出る」普通に考えればおかしいと感じることと思います。

古くからあるオフセット印刷ですが現代のオフセット印刷は基準カラー規格に基づいて印刷条件、インキの数値管理を行っています。

それでもオフセット印刷は刷り出しと5000枚ほど刷った後で差が出てきたり、夏と冬の温度や湿度差、紙の含水率でも色に影響があるなど、常に変化する状況の中で調整をして色を合わせるシビアな作業を行っています。

職人の技、培ってきた勘に大きく依存いていた旧来の印刷から80年代後半から90年代のデジタル化を経て近年は色の違いによるクレームは格段に減少しています。

 文字への網

次に文字への網ですが文字は細い線で構成されているため文字をK(黒)アミのグレーにすると下図のように輪郭のはっきりしない読みづらい文字やギザギザに見える文字になってしまいます。

文字にアミ掛け

大きな文字であれば網で問題ありませんが紙箱背面の成分表示や説明文など小さな文字はK100%をお勧めいたします。

印刷代アップになってしまいますが、どうしてもK100%では強すぎる場合はK100%より薄い黒~グレーの特色を使ってください。

次回は特色印刷について解説いたします。

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